第2話 欲すれば恋か

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それからは私の仕事モードが少し残ってたのもあって、他にいた常連さんも巻き込みながら会話を楽しんだ。 なるほど、倉坂さんは皆から「クラちゃん」「クラさん」と呼ばれて慕われている。 男性とはしゃぐのが好きなのか悪乗りもあり。 でも、大層モテてきたんだろうな。。。 人に対する話し方、仕草、対応でなんとなく感じる。 余裕があって、女性を試して、ころころと話す内容を変える。 時折目を細めてじっと獲物を狙うかのように色っぽい目線になる。 危険な香りが、する。 そんな女の感覚は久しぶりで、ドキドキした。 仕事で入ってたお酒もあって私はテンションが高くなり、気が付けば際どいお話から濃厚な嗜好の話までいろいろしてしまってた。らしい。(後からクラちゃんに云われた) そして閉店時間も過ぎたころ、ラストの1杯をまだ飲んでいい雰囲気だったので 注文して、再度常連さんとの会話に入っていたその時、 倉坂さんは自分の飲物を持って、なぜか、私の右横、カウンター奥側の席に着いた。 アルバイトの関くんも閉店作業に取り掛かり、お客さんは先に帰った常連さんも居た為、現在私含め3人。カウンターに横並びの状態だ。 そしてわざわざカウンター奥側の席についた倉坂さん。 私は盛り上がった気分そのままにただ近くで話せるのが嬉しくて、この頃には倉坂さんという人に、かなり興味が湧いてしまって居た。 初対面というのも忘れて、つい夜の仕事のノリみたいな感じで接してしまったのが間違いの始まり。
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