第3話 目覚めた衝動

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なんだか、一日中ソワソワしてる体にびっくりする。 そんなに、私はお店を気に入っちゃったのか… とりあえず、ネット上でHPとか展開しているのか気になって検索してみた。 お店の名前は「CASO」カーゾ イタリア語で「偶然」と昨日教えてもらった。 ちなみに今は仕事中だけど、事務の仕事は繁忙期を過ぎているため、一通りの作業を終えるととても暇だ。 誰もいない事務所での留守番。 この会社は基本的に営業で、社長も若干の社員も飛び回っているから、私だけがずっと在室している形だ。 要は、何をしてもおとがめなしの自由すぎる職場。 検索結果は意外にヒットが多くて、口コミも賑やかに書かれていた。 なるほど。 結構地元の人や遠方の倉坂さんの知り合いの方もきてるみたい。 久しぶりに会えたとか、相変わらずの店主だと好きに書かれている。 確かに私とも、最後の方は初対面とは思えない感じで砕けて話していた気がする。 うん。一夜明けて今日はどんな感じなんだろう。 気になるし失態を払拭したい。 18時の終業時間と共に変える支度を始めて、夜の仕事場に向かう。 この長い苦痛の時間をなんとか乗り切って、早くお店に行きたい。 ウキウキする自分を誤魔化せない。 そんな気持ちで接客していたら思いのほか力が抜けていて良かったのか、初めていつもの常連さんから、楽しかったよと言ってもらえた。
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