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大好きな彼と初めて体を繋げ、幸せな朝を迎えた。
カーテンの隙間から漏れる日の光を、少しだけ眩しく感じながらもゆっくりと目を開けば、すぐに視界に入ってくるのは、寝ている彼の背中。
先に起きた俺は、その存在を確認するかのように、そっと触れてみた。
指先に感じる彼の体温。
それだけのことで胸がいっぱいになり、目頭が熱くなる。
「大ちゃん…」
昨日の夜は、ずっとずっと触れたかった彼に触れることができて、ずっとずっと触れられたかった彼に触れてもらえて。
何度も何度もお互いを求めて、気持ちを確かめ合えた。
たくさんの愛情と幸せを感じて、彼を好きになって良かったと、改めてそう感じたんだ。
「好き…、」
こんなに幸せなことはないから、このまま時間が止まればいいのにな。
俺はそんなことを考えながら、背中に触れていた手をお腹に回し、彼にぎゅうっと抱きついた。
「何してんの」
“人がせっかく気持ちよく寝てんのに”
俺が抱きついたせいで、どうやら彼は目が覚めてしまったらしく、不機嫌そうに俺の方を向くと、それから頬を引っ張った。
「いひゃい」
「あんたが悪い」
「…ばか!」
「ばかなのはあんたでしょ」
そう言って、呆れたようにため息をつく彼。
そしてまともに俺の顔を見ることなく、ベッドから出て行ってしまった。
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