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「それは!私の息子じゃないの!!」
ユキの周りに【それ】と言葉で表せるモノは無い。
何事だろうと、うっすら目を開けて見ていると、右隣の青年が喋った。
「これはボクのモノです」
丁寧に答えた青年が、女性に突き出した【これ】は、20歳位の男性の生首だった。
生首を見た瞬間、ユキは直感した。
(殺される!)
青年は、すっと立ち上がると、ユキに向き合った。ニカッと歯を見せて笑っている。
この笑顔に背筋が寒くなったユキは、すぐに左隣の少女を起こした。
「おいっ、起きろ!殺されるぞ!!」
ユキは、まだ完全に起きていない少女の手を引き、崖に掛けられている階段を目指して走った。
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