鍵と夢 【side 雨宮 陽太】

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真っ白い部屋。 オレ以外、誰も居ない部屋。 薬や消毒液の匂いばかりの、寂しい部屋。 「…………退屈だ」 病室のベッドで横たわりながらオレ、雨宮 陽太(あめみや ようた)はポツリと呟いた。 今の独り言が人に聞かれていたのなら、何かするなり、動くなりしろと思うだろう。 だがオレは動かないんじゃない。 動けないんだ。 何故なら、右腕の二の腕辺りに点滴用の針が刺されているから。 点滴が終わるまでは、安静にしなさいと看護婦さんからも言われている。 ……何か今年は点滴ばっかされてるような。 17歳の思い出が点滴ばかりとか、マジで笑えねえ。 チラッと点滴液が入っているバッグを見ると、まだ半分以上も残っていた。 もう随分と長い間かかってると感じるが、実際はそれほど時間は経過していないようだ。 まあ、オレが何もせずボケーッとしてるから更に時間が長く感じるんだろう。 しっかし、いつまでかかんだコレ? 退屈で死にそうなんですけど。
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