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探偵が元で起きた殺人事件の場合、
犯人は何故か饒舌に理由を語りたがるのだ。
死ぬ運命にある奴は、
不自然なくらいに手記が残ってたりしてな。
一人の自滅から始まる、
複雑に絡み合った殺人事件。
きっと、
一人目が自滅だってすぐにわかっときゃ、
こんなことにはならなかった。
でも、それが起きてしまうのは
ひとえに俺がいたからだ。
探偵である俺がいたから、
天候が荒れ、
誤解が誤解を呼び、
大きな事件に発展する。
たぶん俺がいなきゃ、
一人目も間抜けな自滅なんて
しなかったはずだしな。
この事件以降、俺は家にひきこもってる。
外出するたびに死体と対面、
なんてもうこりごりだ。
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