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「映像、というか場面がフラッシュバックしてる感じでさ。俺にもよく解らないんだ」
わざとらしく頭を抱えると、ナイトは本気で信じたらしい。
「そうだったのか……!」と妙に納得していた。
「お前を犯せば何か思い出せそうな気がして……すまなかったな」
俺、意外と演技力あるんじゃね?
つーか、ナイトがチョロイのか。
「先程の行為は……許せないものだ。ドラゴンスレイヤーは竜の力を与えられた俺達、ドラゴン騎士団の敵でしかない」
ドラゴン騎士団……ダメだ、笑うな俺。
ってか『俺達』って何だよ。
他にもアホが居るのか。
笑いを堪えた事で震える肩も、口元を手で隠していた為にナイトには戸惑って怯えているように見えたみたいだ。
「どんな事情があったのかは解らない。だが、記憶の無いお前を哀れだとも思う。だから……」
「……」
「敵の身ではあるが……記憶が戻る手助けをしたい」
演技中じゃなければ、ガッツポーズをしたいくらいだ。
心の中ではしてたがな。
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