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「今日は風が騒がしいな……」
開け放った窓から吹き込む風に銀色の髪を靡かせ、ナイトがポツリと呟く。
「天気予報でも今日は風が強いって言ってただろ。つーか、窓閉めろ」
「……」
無言でカラカラと窓を閉め、ナイトは床に敷かれた畳に座る俺から少し離れた所の壁を背にして座り込んだ。
俺とナイトが居るのは、元落語同好会の部室だった空き教室。
そして今は昼休み。
俺が無理矢理ナイトを抱いた事で、ナイトから近付いてくる事は無いんだろうなと思っていたのに。
何故かナイトは休み時間の度に俺を探してアチコチ歩いていたらしい。
クラスまでは教えていなかったし、ナイトの方から来てくれるとは思っていなかったから、壁の陰からじっとこちらを窺っているナイトを見つけた時は嬉しくて堪らなかった。
ホント可愛いな、コイツ。
「で? 俺に話って?」
話をしたい、と言われたからわざわざ売店で弁当を買ってナイトの誘いに応じたんだ。
面白い話をしてくれよ?
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