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「貰っていいのか……?」
「食わなきゃ午後まで持たねぇだろ」
「あ……ありがとう……」
まぁ、たまにはエサを与えておかなきゃな。
イジメるだけじゃ可哀想だし。
「で、続きは?」
話の続きを促すと、ナイトが再びキリッと表情を作る。
「ドラゴンの群れと共に森で暮らしていた所で騎士団の団長と出会い、『ドラゴンを守る力が欲しくはないか』と騎士団に誘われた。騎士団はドラゴンの味方だから、と……」
お前森で暮らしてたのかよ。
どこの野生児だ。猿か。
突っ込みたいけど我慢だ、我慢。
「ドラゴン達は俺の家族のような物だった。そのドラゴン達を守れるなら、そう思って騎士団に入ったのに……」
拳を握り悔しげな顔のナイトを、俺は冷静に見つめていた。
アホか、とは思ったが今後ナイトの妄想話に合わせる為の貴重な情報だ。
いくら記憶喪失設定でも、世界観が違うような発言は出来ないからな。
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