『箱』に封じ込めた想い

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大晦日のお昼。まだ新しい新築マンションの一室で、一組の夫婦が大掃除をしていた。 二人はまだ結婚したばかり。そんなに捨てる物もなければ、汚れてもないだろうと高を括っていたのだが、意外に必要のない物を取っていたり、汚れていたりする。 夫婦は二手に分かれて、掃除をすることにした。 旦那である貴之はクローゼットや棚の整理を。 妻である晴香は台所やお風呂などの掃除を。 二手に分かれているからか、思ったよりスムーズに進んでいた。 「晴香ー、晴香ー」 お風呂の掃除をしていた晴香は、貴之の声で手を止める。 あと少しで、お風呂がキリがつきそうだったので、「ちょっと待ってー」と言って、急いでお風呂の掃除を終わらせる。 晴香は、自分の性格上、途中で手を放すとそのままにしてしまうことを分かっているため、掃除を終わらせてから、貴之のところに行こうと考えていた。 それは、貴之も分かってくれているのか、「終わってからでいいよ」と返してくれる。 交際期間五年からの結婚。 晴香の友人は、基本的に交際期間が短い人が多く、大体はできちゃった婚で、「ハルはまだ結婚しないの?」なんて、よく言われたものだ。 貴之は、結婚を意識し始めてから、子供ができたときや家を買うことも視野に入れて、かなりの貯金を作って、結婚したいと考えていたそうで、気づいたら交際期間が長くなってたらしい。 将来設計を立ててプロポーズをしてくるくらいしっかりしている貴之に、計画性のない自分には勿体ないと思いながらも、晴香は結婚したいと思う気持ちが強く、二人は結婚することになった。 放任で育てられたのに、しっかりしてる貴之。 厳しく育てられたのに、ルーズな晴香。 真逆の二人は、不思議と相性が良かった。
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