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「…昔はね、私も頑張ろうって時期があったんですよ……でも入った場所が社畜でそれはもう濃厚なブラックで胃のダメージ半端ねーわ穴開くわみたいな。辞めたいのに辞めさせてくれないこの毒沼状態。やがて家族からも無視されて挙げ句の果ては過労死ですよ…だから次の人生はじまったら決めてたんですよね。仕事なんてしたくない仕事したら負けだ。そして名前なんて親からしか呼ばれないし。どうせあれっす。ネト充になって名前なんて厨二病成分たっぷりなものにするんで問題ないっすよ。」
「……………」
正座で『生命』の話…というか、もはや愚痴でしかない話を聞き、思わずうつむいてしまう女神。
「(これは、そうですね…ここまで人格が出来上がった『生命』は初めてです…)」
とはいえ、生まれてきてしまったものは仕方がない。いくら個性的であったとしても、ここで授かった『生命』なのだから。
「まぁ、というわけなんで。ニートよし子これからネット世界で充実して生きてくこと誓うんで、美人さんどうかよろしくお願いしあす」
そうである以上、キチンと受け入れ役目を果たさなければならないし、贔屓も出来ない。
「………残念ですが、その願聞き入れることは出来ません。役割は、貴方が選んだ運命により決められ、名はこの森の出口に立ったとき、貴方の魂から溢れ出てきます。なので、運命を望み通り決めることは出来ないのです」
「……社畜ルートだけは避けたいのですが」
「そうなるかもしれないし、そうならないかもしれない……すべては貴方の運命次第…」
女神がそう淡々と伝えてやると、『生命』は重いため息をつき、肩を落とした。
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