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プロローグ
目覚めなさい、あなたたち。
全てを思い出して力を使いなさい。
世界が暗黒の闇に包まれる前に。
世界が滅びる前に。
蜃気楼のヴェールを脱ぎ捨て、滅びへの黙示録を止めなさい。
この世界、ラムダ・デルーシアは数々の街と、陸上を覆う大自然と、広大な海で成り立っている。ラムダ・デルーシアの周りにはミラージュと呼ばれる蜃気楼がラムダ・デルーシアを包むように形成されており、光の、ミラージュに対する屈折加減で空の色は変わる。海は常に群青を晒しており、色を保てるのは海の下のどこかに“海石”が埋まっているためと考えられている。
その都心、レ・ディールは別名潮の都心。海と接する形で栄えているからだ。漁業は勿論、海水を利用した農業も盛んで、人口も多く、自然に接しながらも近代化も同時に進めてきた珍しい街である。
さて、そこには一人の少年が。運命を背負った少年が今はまだ何も知らずに平和な日々を過ごしている。
これはその、少年の平和を壊す物語。
同時に、世界を再生する物語。
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