恋文

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「あら、あるわよ。 運命って」 真っ赤な坦々麺を 啜りながら、 さくらさんは 臆面もなく言い放つ。 あれから数日が過ぎ、 いつも通りに振る舞う あたしを不憫に思ったのか、 編集長とさくらさんは 夕食に誘ってくれた。 安っぽい中華が食べたい、 冷たいビールを 飲みたいという さくらさんの主張で、 大衆中華。 意外と中年男性のような さくらさんの嗜好が、 なんとなく判ってきた気がする。 さくらさんは、 あたしがぽつりと 話したことに反応し、 運命を肯定するという ロマンティストっぷりを 披露する。 「……笑われるかと思いました」 .
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