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「──美園……」
「……克……行さん……
あ、あっ」
激しい熱に穿たれ、
あたしはこれまでにないほど
貪欲に彼を求め、
応える。
恥ずかしいなんて思う
余裕はない。
失うかも知れない恐怖を
思い出せば、
彼の想いを見失う方が
ずっと怖かった。
そんなあたしを
愛おしんでくれるように、
織部先生も前とは違って、
夢中になってくれているように
思えた。
その仕種のひとつひとつが
あまりに切実で、
まるで彼に
縋られているような
気持ちにさえなる。
自分より一回り近くも年上の
この人が、
あたしを求めて、
縋りついて来る。
会いたくないだなんて、
顔も見たくないだなんて──
嘘つきで優しいあなたが、
腹が立つほど愛おしい。
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