自立とは乖離のことである

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  この世には、 2通りの人間しかいない。 人を支配する者と、 人に支配される者。 俺は明らかに 人を支配するほうの人間で、 長い間そうした性質を 忌み嫌ってきた。 なにを 恐れているわけじゃねえ。 ただ、 この世には支配される 人間のほうが圧倒的に多い。 たまたまマイノリティに 生まれたからって、 それを振りかざして 生きるのは フェアじゃねえと 感じていただけの話だ。 ガキによくある 精神疾患とか、 そういうものの 延長線上の思い込みなら どれだけ楽だったか。 ──だが、 いつのことだっただろうか。 この特別な性質は 俺自身のために 神が与えたもうたものでは ないのかも知れない、 と気付いたのは。 .
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