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その音が通り過ぎ、チカチカする瞼の疑問もある僕は左目を薄目にして辺りを確認しようとした。
あれ。
明るいはずのフロアーが暗い。
そんなはずはない。
僕は目を見開き辺りを見ると、そこは薄暗い木造の廃墟のような光景。
薄い鉄のような皿をのせた裸電球がチカチカと目を眩ませた時、パッと明るいフロアーへ戻った。
日常の煩わしい雑踏が逆に気持ちを和ませた。
今のはなんだったんだろう。
そして、ふと左奥のフロアー突き当たりを曲がっていくパジャマ姿の女性らしき姿が目に入った。
大きな柱の影に消えたあと、その姿は柱から出てこなかった。
僕は確認しようと歩きだした。
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