第1章

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一週間が過ぎ、初出勤 今月から二ケ所の郵便局の途中採用、局の掛け持ちをする臨時局員 新人 早乙女 樹(いつき) 25才 今週はT郵便局 、女性局長 三浦尚子 (50才)に言われた 小包・ハガキ・切手を取り扱う窓口に座る。 不慣れな仕事に戸惑う日々だが、マニュアル通りに頑張るのでした。 局長に、毎朝 「おはようございます!」と挨拶しても…返って来る言葉は… いつも怖い顔で「大きな声で応対して下さいね!」と言われるだけ… 「はい」自分の席に着くが、いつも不安で緊張の毎日 先輩局員は、神田 充(みつる)32才 と宮本亜希子 30才 ベテランの二人はテキパキと仕事をする。 僕も頑張ろう!局長に渡されたT郵便局のマニュアル通りに必死… 「こんにちは!」元気に入って来た女性 みんなの一丸となった声『こんにちは!いらっしゃいませ!』 固い表情の樹、少し遅れて「いらっしゃいませ!」 笑顔の彼女が樹の窓口に…すぐ局長が樹の傍に来る。 「ココちゃん、お久しぶりですねえ。いつも貴女の元気な声に私達も笑顔に慣れます。有り難うございます!」 ウフフ…「何を言われるんですか?私の方が皆さんに励まされています。有り難うございます。 それでは、いつものように…よろしくお願い致します」小包を渡す。 「失礼します!」 『有り難うございました!』三人の声が揃う。 一人遅れて「有り難うございました」と小さな声の樹 気付けば横に局長が立っていた。「早乙女君、ちょっと!」奥へ呼ばれる。 何?僕が何かした?黙って付いて行く。 それを見ていた二人、顔を見合わせる。又、新人には厳しいお小言? 「早乙女君、マニュアル通りなんですが…もう少し、大きな声でお願いします!」 「はい…」注意されながらも、下を向いてしまう。
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