逆タイムカプセル

「リリカ、すごーい！」
「メジャーリーガーだって！」

「すごい…私の悩みまで…これ、本物！？」

リリカだけじゃない。みんな大はしゃぎだ。

「…なあ、メモリーカードの方は何が入ってるんだろうな？」

コウキが言ったので、今度はみんな、メモリーカードの方が気になり出した。

「画像…かなあ？未来の自分とか、ダンナさんとか子どもの顔？」
「メジャーやプロの試合の映像かもしれないぞ。」
「なあ、パソコン室のパソコンで見て見ようぜ」
「バカ。怒られるに決まってるでしょ」

「……。」

結局、メモリーカードは明日誰かのパソコンで観てみよう、という話になって別れた。みんなドキドキワクワクしていた。

「いいなあ、リリカは。自分に逆タイムカプセルなんて素敵」
「私も欲しーい。何してんのよ、未来の私！」
「書いてあったでしょ、誰でも送れるもんじゃないって」
「そうか…リリカは３５年経ってもリリカなんだね。頭が良くてスポーツができてみんなに好かれて、新しい物好きでみんなの憧れで」

「みんなだって！夢は諦めなければ叶うって手紙に書いてあったじゃん！」

悩みの無くなったリリカは、飛びっきりの笑顔でみんなを励ましてくれた。