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「まぁぁ!ひーくんじゃない!」
「...ご無沙汰しています」
先生がやってきたお母さんがびっくりしながらそう叫んだ。
...ひーくん?
「葵、わかんない?昔いっつもコロッケを3つ買いに来ていたお兄さん」
「...いたようないないような」
「あんたいつも奥でコロッケ揚げてたから、顔まで見てなかったのかしらねぇ。まさかひーくんがうちの子の担任だったなんてねぇ」
【ひーくん】と何度も呼ばれて恥ずかしそうに顔を下に向ける先生の姿に、なんとなく...昔同じように俯く人を見たような気がしていた。
「葵、店番しててね。ひーくん…じゃなかった、先生どうぞ」
「お忙しい時間にすみません。すぐに終わりますので」
先生は私のそばをすっと横切って奥の玄関に向かった
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