34人が本棚に入れています
本棚に追加
私の手を掴む先生の手がほんの少し震えているように感じる。
「...僕は毎日【こっちを見ないかな】って、思いながら毎日コロッケを3つ買いに行ってた」
「...え?」
「コロッケが揚がるまでの数分、じっと君を見てるのも怪しいから、俯いてることが多かったと思うけど、僕は...君を見てた。
君はお店の奥にいても、近所の人が買いに来ていると大きな声であいさつをして微笑んでいて。僕は...その笑顔に惹かれたんだ」
「...先生、私の事嫌いなんですか?」
「ううん...本当は逆だよ。好きだよ...だからこそこの気持ちを抑えなきゃいけなくて、見れないんだ」
先生は切なそうな顔で私を...見てる
視線が初めてこんなに長く交わって...
ゆっくりと、唇が重なった。
最初のコメントを投稿しよう!