私を見ないで

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「上田さんが泣いてる顔なんて、なかなか見れないじゃないですか」 ぐいっと顔を持ち上げられて、化粧もぐしゃぐしゃの顔を泉にさらしてしまった。 「やだっ...本当にあんたって...」 「好きな人だったんですね。響君って人が」 「あんたには、関係ないわ」 「関係あります。俺は、ずっと上田さんを見てたんだから」 「な、何言って」 言葉を発した瞬間、唇に泉の柔らかな唇がそっと触れた。 「見ないでと言われても、俺は見てます。俺は、上田さんが好きです」
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