ねぇ、こっちむいて

私を見ないで

突然の告白に、言葉が出ない。
ただ、こんな風に誰かに想いを伝えられたことなんてないものだから、顔に火がついたように熱くなる

「あ、上田さんでもそんな風に赤くなるんですね？」

「う、うるさいっ！もう見ないでよ！」

「あははっ。嫌です。もっと見たいです...上田さんのいろんな表情」

涙の痕を優しく指でなぞる泉に、いつもこんなやつじゃないくせに。彼に一瞬でもドキッとしてしまった自分が恥ずかしい。

「泉、あのね」

「上田さんの気持ちの整理がついてからでいいです。今あっさりフラれるのはなんか、嫌なんで。

　だから...それまでは上田さんが嫌だって言ってもずっと見てます。」

そういうと泉はにっこりとほほ笑んだ。
それは、私をからかう時とはちがってとても優しくて。

「ずっと待ってなきゃいけないかもね。私泉みたいな人タイプじゃないし」

「えぇ～。身体の相性はいい感じだったんだし、うまくいくかもしれませんよ？」

「そ、それは忘れてってば！」