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さっきまであんなに涙がこぼれていたのに、どこに行っちゃったんだろう。
数日後、私は響君に直接電話の事を謝って、ずっと言えなかった気持ちを伝えた。
「ごめん。」
「ううん、いいの。これで私も前を向いていけると思うから。これからも、友達でいてね」
「もちろん。」
響君と握手を交わして別れた。
その足で向かったのは、泉と待ち合わせていた居酒屋。
泉は一人で先に飲み始めていた
「上田さん、なんかすっきりしてるね」
「まぁね。これで私も前を向いて進むって決めたんだもん」
「それって...俺のモノになってくれるってこと?」
泉は私の髪を撫でて私の顔をのぞき込む。
でもね、泉...そんな簡単にほかの人になんか向けるもんじゃないわよ?
「あんたのモノになんかならないよーだ」
「なんだ。でも、俺そんな簡単にあきらめないからね?」
2人でビールで乾杯。
私が、彼のモノになったかは...
まだまだ先の、お話で。
~おしまい~
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