先生...こっちを見て

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私も中学の頃は家の前で友達と自分の店のコロッケを一緒になって食べてたっけ。 先生はどんな学生だったのかな。 「やだ、なんでそんなこと考えてるんだろ」 目の前の油の中できつね色になっているコロッケを急いで取り上げて、ふうとため息を吐いた。 先生に、私嫌われているんだ。 だから...私の顔すら見てもらえないんだ。 何か嫌われることをしたのだろうか。 先生には1年の時も日本史を教えてもらっていて、2年生の今は担任でもある。 でも、先生とは用事がない限り話していないと思う。 あぁ、もしかしたらこの顔が好きじゃない顔なのかな。 でも、顔は...変えることなんてできないし、お化粧なんて校則の厳しいうちの女子高内じゃ絶対にできない。 先生の瞳の中に、私をうつすことってできないのかしら
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