第1章

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~*~一週間前~*~ 「京夜はいるか?」 春の日差しにうつらうつらと夢の世界に旅立つ寸前に、俺に呼び掛けてきた声で現世へと帰還した。 「どうしたんだよ、じいちゃん?」 眠気満載の顔で、声の主・加賀見甚八に顔を向け答える。 「蔵の整理をしたいもんでの、ちと手伝いをせんか?駄賃なら弾むぞ?」 こんないい日、しかも今は春休み、ごろごろライフを堪能かつ満喫したいのだが …。 いかせん高校生しかも、バイトをしてない俺としては駄賃という魅力的な言葉に惹かれないことはない。
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