617人が本棚に入れています
本棚に追加
以前とは明らかに何かが違うのに、二人はそれを必死になって隠そうとしていた。
もっと自分の気持ちに素直に、そしてオープンになればいいのに。
…とか、ちょっと偉そうなことを思ってみる。
人様の恋愛は見ていてもどかしい。
もっとこうすればいいのに、とか、相手もこう思ってんじゃん?とか、口出ししたくなる。
目に見えて戸惑っている葵と西。
西は倉森から参考書を借りると、自分の席に戻って行った。
この前の席替えのまま、西と葵の席は前後。
葵はぎりぎりまで席には戻らない。
まぁそれはいいとして。
テストが終わったばかりなのに、西は何で参考書、なんだ?
「あーっ!早く、夏休みにならないかなぁ!」
葵は西との話題から逸らすためか、大きく伸びをして言った。
確かに。
早く夏休みにならないかなぁ…。
最初のコメントを投稿しよう!