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「はぁ・・・・・はぁ・・・・・。」
あれからどれくらい走っただろう・・・・・
5分?10分?もしかしたら、まだ数秒かも知れない。
それくらい俺の頭は冷静さを欠いていた。
ここは田舎町、明かりと言えるのは街灯しかなく、人通りも全くない。
携帯も休憩室に置いてきてしまってるから、助けを呼ぶことさえ出来ない。
もう、歩くのすら辛くなってきた・・・・・
誰かに軽く押されただけでもパタリと倒れてしまいそうになるほど、俺の体力は消耗していた。
出血も未だに止まらず、全身の体温が根こそぎ取られたかのように凍える。
俺は生きなければならない、まだ死にたくない。
あの人のためにも死ねない・・・・・
一歩一歩、小さな一歩だが確実に歩み出す。
そんな俺の決意など知らず、あの恐怖の笑い声が痛いほど俺の耳に響く。
「あはははははは!お兄さん遅いよー!」
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