女子会

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――空葉の妄想のターン 一旦空葉目線 憧れていた先輩と付き合うことになって、初デートに誘われた。 頑張ってお洒落して、待ち合わせよりも大分早くついてしまった。 先輩がやってきて、デートが始まった。 私の手を握って、「行こう」、と言って笑いかけてくれた。 私はそれだけでおそらく真っ赤で、慣れるのは時間がかかりそうかも…。 向かった先は遊園地。 デートの定番。 遊園地内でも先輩はずっと手を握ってくれていた。 「迷子にならないように」、って言ってたけど本当はどうなのか分からない。 でも、私は先輩と手を繋げて嬉しいから。 何も言わないことにした。 むしろギュッと握り返した。 その後はさまざまなアトラクションに乗った。 先輩との時間はとても楽しかった。 楽しい時間が過ぎるのはあっという間。 日が傾き始めた頃に向かったのは、観覧車。 先輩と手を繋ぎながら観覧車に向かう途中、私は少し別のことも考えていた。 まだ、可愛いって言ってもらってないな、って。 そんな思いがあったからかどうかはわかんない。 観覧車で向い合わせで座るはずが、先輩の隣、本当に真横に座ったのは。 そのまま先輩の腕に抱きついてる辺り、今の私はやけに積極的だな、と自分でも思った。 「そ、空葉ちゃん!?」、と先輩が慌てた声を発する。 私は何も言わなかった。 ただギュッ腕に抱き付くだけだ。 先輩は顔を赤くし、そっぽを向いた。 その時に先輩がボソッと呟いた言葉を、私は聞き逃さなかった。 私に聞こえないと思ったのかな。 待ち望んだ言葉にドキドキが止まらない。 ついには先輩の袖を引っ張っていた。 「先輩、」、と呟いて顔をあげて目を瞑った。 先輩がどんな顔をしているかわからない。 慌ててるのか照れているのか、でも私の思考はそこまでだった。 「んっ」、と思わず声が漏れた。 何やら柔らかいものが唇に当たっていた。 考えるまでもなかった。 私、先輩とキスしてるんだ、 そう思うだけで胸が張り裂けそうなくらいドキドキしていた。 観覧車を降りて、後は帰るだけ。 今日はとても楽しかった、と先輩と笑い合いながら帰り道を歩く。 私は先輩の腕に抱きついたままだった。 ――空葉のターン終了
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