お化け

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果「お兄ちゃん!この家にはね、お化けがいるんだよ!」 水「初耳だな」 果「例えばね、私が取っておいたプリンがいつの間にか無くなってたり…」 水「食べたのを覚えてないだけじゃね?」 果「私そんなに食い事はってないもん!でね、他にも突然どこからもなく笑い声が聞こえてきたりオルゴール音が流れてきたりね?」 水「怪談の定番じゃないか」 果「だからお兄ちゃん、怖さを半減するために一緒にねよ?」 水「やなこった、良い年してそんなのにビビってどうすんだよ。風呂入って寝るは」 果「あ!…もう、お兄ちゃんめ…お兄ちゃんがその気なら!!」 水「ったく、何が怖さの半減だ。一緒に寝たいだけの口実だろ」←カポーン ――ポーン 水「…え?」 ――ポヨーン 水「…何の音?」 ――ブオー 水「…果奈だろ?大人しくやめとけって」 ――チリーン 水「…やめないのか?まぁいいや、そろそろ上がろうと思ってたし…」 ――フフフ 水「薄気味悪いな、ったく」 水「おい果奈、悪戯もほどほどに…」 水「…あれ?俺の歯ブラシがない」 水「ったくアイツは…」 水「もういいや、気だるいから明日三回くらいチョップすればいっか…寝よ」 水「…あれ、何で気だるいんだ?」 水「…何か気味悪いな。ってか布団が何か生暖かい?あれ、何か鉄の臭いが…」 水「待てって!これはさすがにやり過ぎだぞ!?仕方ない…今から…」 果「どう?怖かった?」 水「はぁ…やっぱお前の仕業か」 果「少しはお化けを信用した?」 水「しねぇよ、第一全部お前の仕業だろ?変な音も鈴の音も笑い声も」 果「え?私そんな音まで出してないけど?笑い声も…」 水「え?歯ブラシがなくなったのも布団が鉄臭かったり生暖かかったりしたのは…?」 果「歯ブラシは確かにとったけど、布団は知らないよ?そもそも勝手に部屋入るの禁止されてるし」 水「…え?」 果「え?」 水「な、何がどうなってるの…?」 果「ふふっ何やら大変そうだね…じゃ、お休みお兄ちゃん」 水「お、おう…おやすみ…」 水「…て、あれ?普段のお前なら『怖かった?一緒に寝よっか!』とか言ってくるはず…いや待て、そもそも…」 水「お前、本当に果奈か?」 果「やだなぁお兄ちゃん、私のこと忘れるなんて」 水「そ、そう?やっぱ気のせいかな…?」 果「うふふ♪」
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