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「ちょっ……冗談でしょ、やめてよ」
言いながらも、絶対この顔は冗談なんかではないとわかってて。
亨の身体を押し返そうとするがまったく効果がない。
力入んないし!
頬を引き攣らせて見上げていると、亨がにやりと口角を上げた。
「やめて欲しかったら、吉川と何話したのか言えよ」
「は? え、別に大した話じゃないって」
「だったら言えるだろ」
ほら、と亨の指先が首筋の肌を撫でて上がり耳朶を擽る。
弱いところを良く知ってるその指に良いように耳を弄られて、私は思わず身体を捩った。
「も、ほんとにヤダって……」
「強情だな、そんなに拙い話でもしたか」
「ちがっ……ひぁっ……」
指先が今度は鎖骨に降りて耳が解放されたと思ったら、唇を寄せられて舌で蹂躙される。
結局耳だけでギブアップさせられた私は、吉川さんに亨が助手席に誰かを乗せていた、と聞いた話をさせられて。
吉川さんが、その後何かされたのかどうかは、私は関与しないことにした。
「番外イチャイチャ編」
End
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