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頭に霞がかって、何も考えられなくなりそう。
力も抜けて、握りこんでいた布地が手の中からするりと抜けて、私の手がシーツに落ちた。
亨の舌の動きが少し緩やかになり、唇が離れて零れた唾液の痕を辿った。
「んっ……あっ」
キスで蕩かされた身体は、僅かな刺激にも反応して声が漏れる。
やだ、だめだ。
だって、今日は……。
「やっ……だめ、涼子さんが」
「そうだな。声出したら聞こえるかもな」
「んっ……ちょっ……」
鎖骨を唇で擽りながら話すからぞくぞくして、力の入らない手で咄嗟に彼の胸を押す。
すると、案外すんなり空間はできたけど。
亨が口元を楽しそうに歪ませて言った。
「挑発したお前が悪い。頑張って声押さえろよ」
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