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「……でもね、ほら。一緒に計画立てたりもしたいじゃない」
「それもそうですけど……旦那さんのサプライズだと思って何も聞かずに当日を楽しみにしたらどうですか? 旅行っていつなんです?」
「……明日」
「はっ?!」
明日、と言われて慌てて壁の時計を見る。
時刻はもう十時を回っていて、私は慌てて立ち上がった。
「こんなとこに居る場合じゃないじゃないですか! 明日の旅行の準備しないと」
そう言うと、涼子さんは少し恥ずかしそうにリビングの隅を指差して、そこには大きなキャリーバッグが置いてあった。
「……家出のつもりで数日分の準備してあるから、それで準備は出来てるの」
「……」
実は行く気満々なんじゃないか。
思わず脱力して勢いよくソファに逆戻りしてしまった。
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