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「せんぱーいっ、日曜日デートしよ!」
金曜日、放課後。
いつものように保健室の窓越しに、真幸くんが外から中を覗いた。
「デート?え、デートって、ふたりで出かける、あれ?あのデート?」
他にどんなデートが当てはまるのかは分からないけど、つい確認してしまう。
「うん!それ!」
「本当!?だって、部活は?」
確か、真幸くんは毎週土日に部活があったはず。
「今週ね、日曜日だけないんだって!テスト前だから!」
そっか、期末テスト。
さすがに、テスト前は部活はないんだ。
「こらこら、何のための休みか分かってるの?そう言う話は、先生がいないときにしなさい」
あたしの後ろで一部始終を聞いていた深沢先生は、呆れ顔。
「だいじょぶでーす。勉強しても、頭悪いから」
真幸くんが満面の笑みで答えた。
“大丈夫”の使い方を間違えている。
先生は、右手で頭を抱えた。
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