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「や、図書館じゃなくて……」
中々出てこない。
早く提案しないと、デート自体がなくなってしまう気がして、焦る。
夏っていえば、海?
でも、海は行けないから……
「あっ、水族館!」
屋内で、なおかつ夏っぽい雰囲気。
そんなふうに思考を巡らせたら、たどり着いた。
「水族館?先輩、魚好き?」
「魚……、うん」
魚好き。真幸くんが言うと、違うニュアンスに聞こえるのはなぜだろう。
「久我くーん、食べちゃダメよ」
先生も、同じとらえ方をしたらしい。
「食いませーん。俺、そんなに魚好きじゃないもーん」
好きだったら食べてしまうのかとかは、ひとまず置いといて、
「どう?……かな?」
真幸くんが興味ないなら、早く別のところを考えなくちゃいけない。
「はい!じゃあ、水族館!」
笑って承諾してくれて、ホッとした。
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