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2nd*コイバナ。-2 #2
出来れば出ていってほしいな。
別に、中に入っていってもいいのだけど、花のことはふたりだけの秘密にしておきたいし。
「ねー、ひめちゃん?だっけ。もしかしてさ、最近、ここにあやめ来てたりしない?」
ドキッと、嫌な振動が体を駆け抜ける。
この声、口調、そしてあたしの名前……。
“あいつ”だ。
――『死ね』
なんでいるの。
やめてよ。
「誰それ?」
知らない声が、それを問う。
元々は、この子とあいつが知り合いなのだろう。
「あやめちゃん?うん、来るけど……」
何も知らない緋芽が、ごく普通に返す。
緋芽に近づかないで。
やめて。変なこと吹き込まないで。
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