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「深沢先生、すいません、足くじきました」
入ってきたのは、男女1名ずつ。
それを言ったのは男子の方だけど、足をくじいたのはどちらなのかは一目瞭然。
女子が、背中に乗っているから。
おんぶでここまで来たのかな。
恥ずかしくなかったのだとしたら、相当な男前だ。
「オッケー。ねぇ、そこちょっと詰めて……、――おやぁ?」
内山くんに、長椅子の場所を空けてもらおうと思ったのに、そんな必要なく、そこにはひとりもいない。
その代わり、いつの間にかひとつのベッドのカーテンが閉まっている。
逃げた……とか?
「先生?」
女の子を背負う男子に、不思議そうに問われる。
私だって不思議だから、聞かれても困る。
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