3rd*先生のお気に入り。

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「深沢先生、すいません、足くじきました」 入ってきたのは、男女1名ずつ。 それを言ったのは男子の方だけど、足をくじいたのはどちらなのかは一目瞭然。 女子が、背中に乗っているから。 おんぶでここまで来たのかな。 恥ずかしくなかったのだとしたら、相当な男前だ。 「オッケー。ねぇ、そこちょっと詰めて……、――おやぁ?」 内山くんに、長椅子の場所を空けてもらおうと思ったのに、そんな必要なく、そこにはひとりもいない。 その代わり、いつの間にかひとつのベッドのカーテンが閉まっている。 逃げた……とか? 「先生?」 女の子を背負う男子に、不思議そうに問われる。 私だって不思議だから、聞かれても困る。
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