3rd*先生のお気に入り。

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「悩みって、“それ”?」 「それって?」 「いや、フラれたとか……」 「えー!先生、何で知ってんのー?」 いや、自分からバラしたよね? 「内山くん……」 呆れていると、 「あはっ」 ……わざとか。 内山くんは、ふたつある内のひとつの缶を私の前に置いた。 カルピスソーダ。 好きだけど……。 振ったのか?これ、振ったやつ? あけないでおこう。 そんな私の思いをよそに、内山くんは自分の分のプルタブをあけた。 軽快な音と共に、一瞬だけ微かに飛び出した、細かい気泡。 やっぱり、振ったのは私に渡した方。 内山くんは、目の前で缶に口をつけて、ため息をついた。
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