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「悩みって、“それ”?」
「それって?」
「いや、フラれたとか……」
「えー!先生、何で知ってんのー?」
いや、自分からバラしたよね?
「内山くん……」
呆れていると、
「あはっ」
……わざとか。
内山くんは、ふたつある内のひとつの缶を私の前に置いた。
カルピスソーダ。
好きだけど……。
振ったのか?これ、振ったやつ?
あけないでおこう。
そんな私の思いをよそに、内山くんは自分の分のプルタブをあけた。
軽快な音と共に、一瞬だけ微かに飛び出した、細かい気泡。
やっぱり、振ったのは私に渡した方。
内山くんは、目の前で缶に口をつけて、ため息をついた。
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