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「すみません、深沢先生」
新たな訪問者。
野球部顧問の日下先生。
体育担当の先生だから、ジャージを着ている。
そういえば、さっきの時間、グラウンドでどこかのクラスが体育をしていた。
日下先生は内山くんを少し気にする素振りのあと、自分のひじを私に見せた。
「あの、ここに、絆創膏とか貰えますか?」
砂に擦ってしまったのだろうか。
洗ったらしいけど、周りにまだ砂が付いている。
「あら、大変。消毒するから、そこ座っててください」
「や、そんなことまでしなくても。絆創膏だけ頂ければ……」
「ダメです。座ってください」
「あ、……はい」
内山くんは、自分の座っている長椅子を、日下先生が座りやすいように少し移動した。
「内山も怪我か?」
「んーん。遊びにきただけ」
「あー、放課後もよくいるもんな」
何で、滅多に保健室に来ない日下先生がそんなことを知ってるんだろう。
そうだ、グラウンドから見えるんだっけ。
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