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残念なような、ホッとしたような……。
今までのように接してはくれないかもしれないから。
「帰る」
「えー?」
何しに来たんだろう。と、先生が首をかしげる。
保健室を出たとき、ちょうど中に入ろうとした女子と出くわして、ぶつかりそうになった。
「――わっ!?」
「あっ!ごめ……、――あやめちゃん!」
あたしの名前を呼ぶ、その人は……、
「緋芽……」
一番会いたくて、一番会いたくなかった。
見たくないから、目を逸らす。
笑顔じゃなかったら、どうしよう。
「よかった。探してたの」
一瞬、誰のことを言ってんのかなって思った。
あたしを探す人なんて、いるわけないじゃん。
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