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「宇佐見も、そんな顔で頑張ってんだな」
今までの話を聞いて、言うことはそれだけか?
そんな顔でって何だ。
「自分の悪口聞いたことない女子なんていないしー」
「……怖いな」
「今だったら、返り討ちにしてやれんのに」
「お前のほうが怖いな」
綿貫がため息混じりに笑う。
あたしは、奴に右手を出して、
「綿貫、“おすわり”」
「嫌に決まってんだろ。つか、それは“お手”だ」
「いいから座りなよ」
「何で」
「撫でてあげるから」
「いらん」
「いいから、あたしに早くひざまずけっ!」
「だっ!?」
綿貫の膝の裏に、見事に回し蹴りがヒットする。
なんか趣旨変わってきた気がするけど、面倒だから気にしない。
地面に膝をつく綿貫の頭をわしづかみ。
「てめ……、ケンカ売ってんのか」
「違うよ。褒めてんの!」
「何をだよ。分かりにくいんだよ」
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