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私はチョコクッキーの袋を空けて、机に広げた。
「どうぞ」
「わーいっ」
「いただきます」
内山くんと中倉さんがひとつずつ手に取った後、私も口に運ぶ。
クッキー2枚の間にサンドされたチョコが、暑さで少し溶けている。
「ねー、せんぱーいっ、今日は何ー?」
そろそろ来ると思った。
ひとりだけなのに、騒がしい声。
外側から窓を通じてここを覗くのは、ひとりの野球部員。久我くん。
「おいしいよ、チョコのクッキー」
中倉さんが、窓に向かってひとつ持っていった。
中倉さんは、久我くんの手に渡すつもりだったのに、
「俺の手、汚い。あーんってして」
「えっ」
まぁ、どうせ嘘だろう。
あいつ、前も同じような手使ったことあるな。
中倉さんは、私たちを気にしている。
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