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「雨っぽーい感じですよー」
「うん、本物だね……」
放課後、昇降口前。
あたしと真幸くんは、空を仰いで、困っている真っ最中。
原因は、ずっと降り止まない雨。
朝から曇っているとは感じていたけど、傘を持ってくるのを忘れてしまった。
もちろん、隣にいる真幸くんも同じだから、こうしてふたりで立ち尽くしているわけで。
降り始めたのは、5時間目が終わった辺り。
それから、今までずっと降り止まなくて、グラウンドが使えない真幸くんたち野球部は、4階の廊下で体力作りのみで部活は終了。
それまでなら、雨足も遠ざかるかと思ったのだけど……。
「なんか、強くなってるよね?」
「マジですねー。滝をひっくり返した系」
「系……?」
滝……。それは、さすがに言いすぎだと思うけど。
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