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「ほら、もー、寝てなきゃ治んないって」
「ご、ごめ……、けほっ」
彼が初めて自室を訪れたというのに、寝てるしかないって悲しい。
掛け布団の上から、真幸くんが手でポンポンと叩く。
「子守歌とかいりますー?俺、音痴だけど」
ちょっと納得してしまった。ごめん。
「ううん、だいじょうぶ……」
声がガサガサしてきて、恥ずかしい。
「ちゃんと薬飲んで……、――あ」
「?」
真幸くんは何かに気付いたように声を上げて、布団を叩く手を止めた。
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