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「人にうつせば治んじゃない?もらってあげよっか、風邪」
「もらって?……って?」
それは、まさか、
「ひえっ!?……ちょ、や――」
そのまさか。
真幸くんは、あたしの寝ているベッドに膝を使ってよじ登ってきた。
「まさきく……、いたたっ」
布団の上からだからか、あたしの体の位置がつかめないらしく、脚を踏まれた。
「あれ、ごめん」
「ごめんじゃなくて、ち、近い!……っけほ!けほけほ……っ」
「先輩、暴れると悪化するから」
「だ、だって」
あたしは組み敷かれる形になって、真幸くんの顔がすぐ上にある。
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