5th*処方箋男子。 #2

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目の前がだんだん陰ってきて、ピントが合わなくなるくらいに顔と顔が至近距離。 過去に一度、こんな行為をして真幸くんに風邪をうつしたことがある。 真幸くん自身は体調を崩すことに慣れていないからなのか、すごく重たい症状で……。 あの時のようなのを、また? 「ダメッ!ダメダメ!」 息をするのも辛そうだった姿を思い出し、全力で手を突きだした。 その手のひらは、真幸くんの唇に。 「むー。なんれれすかー、俺のちゅーきらいなおー?」 口が塞がれたせいか、舌ったらずっぽい喋りが手のひらのなかから聞こえる。 「ち、ちがう、好きだけど……、い、いやいや、好きとか嫌いとかじゃなくて」 「ほー、すきなんらー」 「そこじゃなくて!」 喋りづらそう。 離したほうが……、いやいや、まだ……。
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