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真幸くんは、沙柚ちゃんをじーっと見て、
「ん?」
とだけ言い、眉間にしわを寄せた。
一方、凝視された沙柚ちゃんは……
「……げぇっ」
唇の端をピクピクと引きつらせ、真幸くんを指差した。
「く、久我先輩……っけ?」
「っけ」って何だろう。
沙柚ちゃんが青ざめていることが気になって、それどころじゃない。
っていうか、真幸くんのこと知ってるんだ。
真幸くんは、沙柚ちゃんの指の先を見て、より目になって、
「ああ、なんか見たことある顔だと思った。さやじゃん」
……“さや”?
あれ、この子、“さゆ”ちゃんだよね?
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