6th*secret love. #2

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「受験勉強に飽きたら、野球のフォームを見て萌えることにしてるんっす!」 野球のフォームに萌える……? つまり、今その野球の本を探してたってことは、受験勉強に飽きてたってことなんだ。 本当に好きで野球のマネージャーをやってたなんて、素敵な理由。 東中のマネージャーだったってことは、真幸くんのことを知ってるんじゃないかな。 ん?あれ?でも……。 ――『さゆ?知んない』 真幸くんのほうは、知らないって言ってたし。 名前の“沙柚”は、“さゆ”って読むんじゃなかったのかも。 「ねぇ、名前――」 名前を聞こうかと思ったら、 「いた!もー、さゆ!騒いでんの、絶対あんただと思ったし。勉強する気ないでしょ?」 彼女の友達らしき女の子が、眉をつりあげてやってきた。 「怒っちゃいやん。では姉さん、うちはこれで!」 仁王立ちで、手にはこぶしを作って、男らしくあいさつをくれた彼女は、友達と一緒に去っていった。 「あ、はい……」 “さゆ”ちゃんで、合ってるんだ。 あれ?
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