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「さや」
「だから、さやじゃねぇって言って――」
「辛かった?ごめん」
「っー!」
真幸くんに謝られ、沙柚ちゃんは言葉につまった。
あたし的にも、意外。
しかも、何だか変な気持ち。
嫉妬……かな。
やだな、こんなの、信用してないみたいで。
「あああ謝るくらいなら、もっと周りに気を配れっちうことですよ!」
「あー、うん?モテてごめん?」
「んなこと言ってねぇです!やっぱりムカつくー!」
沙柚ちゃんが真っ赤になりながら怒ったとき、
「さゆぞう、騒ぐとまた追い出されるよ」
沙柚ちゃんの友達が呆れるように言った。
「また」ってことは、以前追い出されたことがあるのかもしれない。
まだここはロッカー室だから、図書館の中ってわけじゃないけど、この騒ぎは届いているだろう。
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