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「姉さん!」
「えっ?」
沙柚ちゃんの矛先(ほこさき)はあたしに。
「本が読みてーです!」
「あっ、そっか、うん」
そのために来たんだった。
「じゃあ、カウンター行こっか」
又貸しは出来ないから、一度図書館に返却しなきゃいけない。
沙柚ちゃんと一緒にカウンターに行こうとしたら、
「先輩、それ終わったらすぐ帰る?」
真幸くんに呼び止められた。
朝読書で読んでた本がこれだから、返すと明日から読む本に困る。
「んー、朝読用の本、また借りていこうかな」
「俺も選んであげよっか?」
真幸くんが選ぶのってどんなだろうって思っていたら、
「久我先輩が選ぶようなのって、どうせトリックアートの本とかですよ。先生に「それは読書に入らん!」言われますよ」
沙柚ちゃんが、「ケッ」という嘲笑と共に断言した。
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