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「元からこの色なんだ。……綺麗」
触ってみると、サラサラ。
肌もツルツルだし、ズルいな。
人って、自分にないものに憧れるらしい。
真っ黒な髪の毛のあたしにしてみたら、羨ましい。
「卒業したら、あたしも染めてみよっかな」
まだ1年以上も後のことだけど。
「染めんの?俺、このほうが好きなんだけどなー。黒髪ストレート」
そんなふうに言われると弱い。
「…………じゃ、染めない」
なんて単純な。
「いえーい」
それくらいで喜んでもらえるなら、それで。
ペットボトルの中身を飲み干した真幸くんは、ゴミ箱に狙いを定める。
真幸くんの手から離れたペットボトルは放物線を描いて落ちて……
「お、入った」
「わっ、すごいね」
カランッと軽い音を立てて見事に命中した。
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