6th*secret love.-2-2

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「元からこの色なんだ。……綺麗」 触ってみると、サラサラ。 肌もツルツルだし、ズルいな。 人って、自分にないものに憧れるらしい。 真っ黒な髪の毛のあたしにしてみたら、羨ましい。 「卒業したら、あたしも染めてみよっかな」 まだ1年以上も後のことだけど。 「染めんの?俺、このほうが好きなんだけどなー。黒髪ストレート」 そんなふうに言われると弱い。 「…………じゃ、染めない」 なんて単純な。 「いえーい」 それくらいで喜んでもらえるなら、それで。 ペットボトルの中身を飲み干した真幸くんは、ゴミ箱に狙いを定める。 真幸くんの手から離れたペットボトルは放物線を描いて落ちて…… 「お、入った」 「わっ、すごいね」 カランッと軽い音を立てて見事に命中した。
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